指揮レッスン-吹奏楽コンクール悲喜こもごも

指揮をする先生たちの夏

今年は、「コロナ」が少し沈静化したこともあり、毎夏恒例の「吹奏楽コンクール」が本格化した感がありました。
そしてそれに伴い、コンクールに参加する学校の先生方が、少なからず新規生徒様として私のもとにいらして、指揮のレッスンを受ける、ということが印象的な夏ともなりました。

もともと私のところに通われている先生方に加え、新たに入会された先生の皆様について思うことは、

「ただでさえ、ご多忙なのに、指揮のレッスンに通われる」ということへの感服・脱帽の思いです。

訊けば、部活動の指導というのは、土日、平日夕方返上で練習を指導する、という過酷なもの。
ご家庭をお持ちの方やお子様がいらっしゃる先生は、そこにも注力しなければならないという現実。

それ以前に、通常の学校の授業・事務作業、保護者への対応、先生間のトラブルなど、多方面に気を配らなければいけない……という塩梅で、

とても書ききれないほどですが、実際問題、過労で倒れてしまってドクターストップがかかってしまった先生もいらっしゃったほどです。

そのような中、さらに「指揮のレッスンを受ける」というその頑張りは、繰り返しになりますが、本当に敬服するしかありません。

そうした方々が私の受け持つ生徒様の大半を占めています。

指揮のレッスンでは、実際にオーケストラや吹奏楽団がスタジオにいるわけではなく、ヴァイオリンやピアノ、声楽のレッスンように、目的とする楽器を自分自身で鳴らし、その腕を磨くこともできません。

故に、

「今現在、具体的な現場があり、具体的な曲があり、具体的な目標がある」

方たちが、将来を見据え、私のもとにやってくるのです。
それに、「先生」という職業柄からでしょうか、皆様一様に、最良の意味で真面目な方たちばかりなのも特徴です。

「なぜそこまでして」ということに関しては、先生方それぞれ、動機は様々ですから割愛させていただきますが、私としては、いらして頂いた以上、精いっぱいアシストさせていただくことしかできません。

実際の指揮レッスンでは

実際のレッスンにおいては、指揮法の基礎のトレーニングは勿論ですが、リハーサルの進め方や楽器に対する知識など、レッスンすることは多岐にわたります。そして、時にはオンラインで、時には練習風景を録画したものを拝見して、私が指導する場合も今年は特に多かった気がします。

さらに言えば、今年に限らず、先生方は精神的ストレスが蓄積されていくため、レッスンの時間を使って、できるだけ愚痴や悩み事を吐き出してもらうようにもしています。

やはり、音楽は「心」のものですので、少しでもそういった障害を取らないと良い進展は望めませんから。

因みに、「レッスンする」というその裏側には、私自身の過去の無数の失敗や行き詰まり、そうしたことが裏打ちされているのです。
できない人の気持ちがわからない講師にはなりたくないですし、そもそも講師だって、最初からなんでもできたわけではありません。
故に、私自身が「未完成」ですから、時には恥もかきつつ、よくできた生徒様から学んだり…といった感じの「レッスン」なのです。

「チャンス、ここぞというときに、それまでどれだけ実力を蓄積しておくか」

閑話休題。
「去年までずっと銀だったけれども、今年初めて金を取れた」
新規にいらした生徒様からこのような結果を訊くのは嬉しいものです。

ただし、申し上げるまでもないことですが、「私がレッスンしたからだ」などとは微塵も思っていません。

様々な要因が考えられますが、ただ、その中の一つに、忙しい中、さらに指揮のレッスンを受けようと頑張った先生の「気概」がその結果をもたらしたとは思っています。

でも、上記の方はレアなケースで、当たり前のことですが、今年習い始めたから、すぐに結果に反映されるというわけではないのです。

これまでの様々な要因が絡み合って、そしてそのうちの一つにもしかしたら指揮のレッスンが加味されたことで、それで…といった感じでしょうか。


音楽というのは、お金ばかりかかって、結果が出るのが遅いのです。
「チャンス、ここぞというときに、それまでどれだけ実力を蓄積しておくか」
これが大切なことだと考えます。

部員が少ない吹奏楽部

一方で、苦労される先生もいらっしゃいました。
これは先生一人の力ではどうにもならないことでもあるのですが……。
それは「そもそも部員数が少ない」部を指導されている先生方です。
そういった先生方は、まず選曲の段階から大変に苦労されます。

最低限必要な楽器を吹く生徒すら揃わない。少ない人数なのに、特定のパートにだけ人数が集中してしまう……。

ですから、オプション・パートを駆使して、どの楽器のどの生徒に受け持たさせるか、楽曲のどこをカットするか、打楽器の生徒数名にたくさんの打楽器の中で、何と何の楽器を掛け持ちさせるかなど、指揮や練習方法以前の問題から取り組まなければいけないからです。

勿論、こういった諸々の懸案事項にも、私は分かる範囲で事前に相談に乗ってきましたし、時にはアドバイスを差し上げることもしてきたと思いますが、そんな状況でも前向きに取り組んでいらっしゃる先生には頭が下がる思いでした。

しかしながら、それらをクリアしてもなお、小編成向きの吹奏楽曲が、やはりフル編成の楽曲より聴き劣ってしまうことは否めません。

トランペットレッスン

生徒たちのリアクションは

もう一例は、「生徒のリアクションが弱い」というものです。

動画を見ていると、先生が与えた指示に対して、頷くでもなし、先生を凝視しているわけでもなし、理解しているかどうかわからない態度で、要は「受け身」の姿勢が見えたことです。
果たして、先生の言うことをきちんと受け止めて、それを自身の練習やアンサンブルに生かそうと思っているのかわからない、とある先生はこぼしていました。

私が高校の頃、吹奏楽部員としてコンクールに出たのは今から約30年以上前。時代、学生の気質、様々なことが変わってきてむしろ当然なのですが、同じ学校で、同じ教育を受けて、同じ部に所属しているというのは、長い人生の中ではごくわずかな時間のはずで、それはお金とか、そういうものには代えられない得難い時間のはずですから、生徒さんは、その「今」が「宝」だと少しでも感じて、「能動的に」活動していってほしいなと願って病みません。

おわりに

先生方にとっては、多忙の中尽力しても報われないことも多々あると思います。

また「自分の指揮に満足」なんて、滅多にそういう「瞬間」は訪れないのです。

しかし、先生如何で、あるいは練習のブロセスやコンクールの結果次第で、生徒にとってみれば、吹奏楽部の時間は、何十年も経ってからでも思い出されるものになったり、場合によっては、その後の生徒の人生を潤わせるものになったり、さらには、生徒自身の人生の方向を変えてしまうことだってある……私はそう思っています。

なにはともあれ、先生方、お疲れさまでした。

AUTHER

宮川 健太郎 MIYAGAWA KENTARO

担当コース

「学校の合唱祭で指揮をしなければいけなくなった」
「吹奏楽コンクールで指揮をするけれども、指揮指導をもっと上手になりたい」
「リコーダーアンサンブルの曲で振り方がわからない」
「音大指揮科を受験したいが、指揮の先生が探せない」
などなど、「ワン……

プロフィール

宮川先生のレッスンが受けられる♪指揮コース詳細はこちらから↓

指揮レッスン

オーケストラをはじめとし、アンサンブル、合唱やオペラなど複数人での演奏や音楽的解釈を統一するため、指揮者は存在します。
表現したい音楽を演奏者にわかりやすく正確に伝達するため、手や腕、体はどうやって使うのか、また音楽の解釈についてや、知識など、幅広い視点からのレッスンを行います。

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