指揮レッスン-合同レッスン2023

指揮合同レッスンとは

コロナ全盛期に控えていた標記レッスンを、今年久々に復活できたことは生徒の皆様のためにも良かったことでした。「合同レッスン」とは、発表会に参加できない指揮コースの生徒様のために、それに代わるかたちで、衆目の見つめる中で指揮をしてもらう一種のグループレッスンです。

「衆目」とは、すなわち他の指揮の生徒様、ピアニストの先生、そして私。

他の受講生の見つめる前で、ピアノ伴奏で、私の指定した課題曲を順番に指揮してもらうというものです。

そして、私だけでなく、ピアノの先生や他の受講生からご意見をいただき、また、自身が他の生徒様を見ているときは、その方を観察する…といった感じで、通常の私とのマンツーマンレッスンでは得られない緊張感とある種の「面白味」が体験できるレッスンとなっています。

勿論、「糧」となるものも、たくさんあると思っています。
日頃、講師である私とのレッスンにおいては、どうしても、お手本?としての私の指揮しか見ることができません。でもこれはあまり良くないことなのです。なぜなら、指揮が早く上達するためには、「なるべくたくさんの人の指揮を見て、その人の良いところを盗むこと」が大事だからです。

選曲について

さて、今回もそうですが、毎回悩むのが「課題曲の選曲」と「参加希望者の全員の予定を調整する」という2点です。
一定のレベルは超えているが、その先の進捗具合がバラバラな生徒さんたちの最大公約数を取り、なおかつ、何かに特化した楽曲を選ぶことによって、それが弱点の方の矯正をはかる…というのは、口で言うほどたやすいことではありません。

今回は、皆様のご予定もあり、大きく三期に分け、以下の楽曲を選びました。

7月
 ブラームス:ハンガリー舞曲

10月、12月
 シベリウス:交響詩「フィンランディア」

2月
 日本の唱歌メドレー(予定)

ブラームスとシベリウスを並べることによって、簡単に言うと、指揮の「軽重」を学んでいただくと同時に、初心者と中級者双方に配慮しました。

また、日頃から「合唱ものを取り入れてほしい」という一部の生徒様の要望にお応えするべく、今回、初めての試みとして、シベリウスでは、中間部で受講生の皆様に合唱してもらう、という趣向を取り入れました。
皆様、未知のフィンランド語で往生したと思いますが、合唱指揮を専門にやっている生徒様が「自分が指導したい」と積極的に申し出てくれて、その方が万事上手く下準備をしてくださったおかげで、実際のレッスンでは、指揮のコースで初めて「歌のハモり」が聞けたのです。

素晴らしい指導をしてくださった生徒様もさることながら、それに応えた生徒様も見事でした。

自身が指揮をしているときはコーラスを抜けて、終えたらまたコーラスに戻って、ということが繰り返されたのです。

合唱指揮をされている生徒さんが、フィンランディアの合唱部分を指導してくださいました!


この間、大変なピアノパートを何時間も一人で弾き続けてくださったピアノの先生にもただただ感謝するのみです。

美しいメロディーを歌ってくださったソプラノパート
歌が苦手だから合唱を歌ってみたいと、満身創痍の中参加してくださったアルトパート
こちらも満身創痍ながら「歌いたいので」といって参加して、いい発声を聞かせてくれたテノールパート
誠実・着実に歌ってくださったバスパート

中でも、本当に満身創痍で、前月のレッスンをすべて休んだ生徒さんが、
「順番は一番最後にしてください。他の方の指揮を盗んで頑張りますから」と言って
素晴らしい指揮を披露してくださったことは嬉しいことでした。

この形態のレッスンは今後も続けていきたいと思っています。
ピアノの先生、参加してくださった生徒様にこの場を借りて、あらためてお礼を申し上げる次第です。

教室から

指揮法合同レッスンは、指揮コース生徒さんのいわば発表会(兼公開レッスン)です。

指揮コースに通われる生徒さんは普段、中高生の学校での指揮、音大受験生、大学生のサークルでの指揮、教職員の方の吹奏楽、オーケストラ部活顧問での指揮、社会人サークルその他の音楽団体での指揮など、それぞれの現場で指揮を振られています。普段はなかなか見られない、他の、同じ状況の方々の指揮を見て勉強する場、自身の指揮を見ていただくとしてこの機会を設けています。(指揮コースページ下部に詳細/概要を記載しています)

今回ご参加いただいた4名の生徒さんそして合唱指揮をしていただいた生徒さんですが、みなさん生徒さんとは思えぬレベルの高い指揮を披露してくださり、普段いかに真剣にレッスンを受け、ご自身でも勉強され、実践に取り組まれているかを感じました。4名中3名が学校の先生で、激務の中その時間を取られていることに、またもうお一人は普段は小編成のサークル指揮をされているそうですが、合同レッスンではオーケストラ曲や合唱曲の指揮にトライされるその向上心、意欲に、ただただ尊敬いたしました。

フィンランディア合唱部分の合唱指揮、指導を買って出てくださった生徒さんは、馴染みのないフィンランド語の歌詞の意味、発音を丁寧に読み合わせしていただき、曲に込められた意味を皆さんで共有することができました。

レッスンは一人1時間、ピアノ伴奏で行います。はじめに全体を通して指揮していただき、指揮をしたご本人、聴講中の生徒さん、伴奏者、宮川先生から感想や意見を述べいただきます。

その後、部分的に取り出して宮川先生にご指導をいただき、時に先生のお手本の指揮と比べてみたり、どうしたら理想の指揮に近づくのかを受講者全員で考えてみたり、、。みなさんで一つの曲を共有し、掘り下げる時間は、毎回本当に有意義で充実した機会となっております。もちろんみなさんの姿勢は真剣そのものですが、宮川先生のリラックスしたお人柄で、雰囲気は和やかに進んでおります。
音楽の指導ではイメージを掴むことが大切で、自分の知っている何か経験に例えることがよくあります。
今回私が個人的にツボだったのは、普段化学を専門にされている先生が受講中、指揮の重みを掴むために、宮川先生の「何か重いもの持つ感じ、、何があるかな、、」という問いに対して、「うーん、水銀の入った薬袋、、?」(違ったかも、すみません)とお答えになられたところでした(笑)。

次回は12月、楽しみです。ご参加いただいた皆さまお疲れ様でした!

AUTHER

宮川 健太郎 MIYAGAWA KENTARO

担当コース

「学校の合唱祭で指揮をしなければいけなくなった」
「吹奏楽コンクールで指揮をするけれども、指揮指導をもっと上手になりたい」
「リコーダーアンサンブルの曲で振り方がわからない」
「音大指揮科を受験したいが、指揮の先生が探せない」
などなど、「ワン……

プロフィール

宮川先生のレッスンが受けられる♪指揮コース詳細はこちらから↓

指揮レッスン

オーケストラをはじめとし、アンサンブル、合唱やオペラなど複数人での演奏や音楽的解釈を統一するため、指揮者は存在します。
表現したい音楽を演奏者にわかりやすく正確に伝達するため、手や腕、体はどうやって使うのか、また音楽の解釈についてや、知識など、幅広い視点からのレッスンを行います。

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