ピアノ練習法:譜読み終わり~中盤の練習方法
前の記事:名曲解説&ワンポイントアドバイス『ベートーヴェン悲愴ソナタ第2楽章』
みなさまこんにちは。日によって、また時間帯によっても寒暖差が激しく、日々の服装に悩む毎日です。みなさまはどのように体調管理等を行っていますでしょうか?
近頃少し忙しくさせて頂いており、その結果連載が滞ってしまいました。申し訳ありません。徐々に再開できたらと思いますので、お時間ある際に読んでいただけますと幸いです。
今回は譜読みがおわった後にどのように演奏のクオリティを上げていくかをみなさまにお伝えできればと思います。
まずは繰り返し弾いてみる
練習といったらなんと言っても反復が基本です。ゆっくりのテンポからで良いので、納得がいくまでなんども弾いてみましょう。
などと当たり前のことを言ってしまうとそれまでになってしまうので、効率化のお話をしましょう。
色々な記事でもお話させて頂いていますが、まずは整理をすることが大切です。弾きづらいという現象には色々な原因がありますが、その原因を自分の中で整理することが出来れば、途端に弾けるようになることが多いです。
整理するポイントとしては主に3つほどあります。
まず一つ目は、調号や臨時記号です。練習の段階で楽譜を見ながら弾く際には、その場その場の全ての情報が書いてある方が、スムーズに反応しやすいです。弾きづらいなと思うところは、調合や臨時記号など、かけるものは全て書いて見ましょう。書く手間以上に楽に弾けるようになります。
二つ目は「指番号」です。ややこしいフレーズの大半は人間の手で合理的に弾くことが難しい場合が多いです。ややこしい分いきあたりばったりではなく、どういった順番の指で弾いていくかということをしっかりと考える必要があります。
補足ですが、楽譜を選ぶときはなるべく作曲者指定以外の指番号が書いていないものを選ぶのがオススメです。手の形は人それぞれなので、書いている番号はあくまで参考程度にしかなりません。自分自身が一番弾きやすい指番号を探してみてください。
三つ目はリズムです。16分音符や32分音符が並んでいて細かいのか。3連符や5連符などになっているのか。右手と左手で違うリズムを刻んでいるのか。色々なパターンがあると思います。ゆっくりでいいので、両手ともに弾いてみて、どのようなリズムになっているかを正確に読んでみましょう。リズムの軸が自分の中でしっかりと出来上がれば、転んだりすることが少なくなります。
これらを整理する上で重要なのは、一つずつ順番に練習することです。これらの要素全てを初めから全て合わせて弾くことはなかなか難しいです。まずは調合があっているかを見る、まずはリズムを見るなど、自分が一番躓いていると思うポイントを優先的に、一つ一つ順番に練習していきましょう。急がば回れです。
練習する上で気をつけること
この段階での練習で最も気をつけなければいけないのは、出来たような気がするという状況になることです。自分の中で一度間違った定着が起きてしまうと、なかなか正すことが難しいです。
例えば、中途半端な段階で無理にテンポを上げたりすると転んでしまっている事に気づかないまま弾いてしまったりします。リズムに関しても、正しくないリズムを正しいと錯覚したまま、微妙に噛み合わない状態で弾いてしまうこともあります。譜読みが終わると早くスムーズに弾きたいという気持ちから、焦ってしまうと思いますが、まずは落ち着いたテンポで安定して弾けるようにしましょう。少し辛いですが、その期間を乗り越えたら良い定着によってよりスラスラと弾けるようになります。
また、この段階では書いてある音と微妙に違う音を弾いてしまうといった読み間違いが頻繁に発生します。もちろん人間のやることなので、エラーが出てしまうのはしょうがないことです。もし読み間違いを見つけたら、その音にカタカナで音名を書いてしまいましょう。練習の時に毎度毎度注意深く見ずとも、カタカナで書いてしまえば一瞬で把握できます。一度読み間違えた箇所は何度も読み間違えてしまう傾向にある部分なので、必ず早い段階で対策をするようにしてください。
テンポの上げ方
この段階ではゆっくりから徐々にテンポを上げて、インテンポまで上げる作業も行います。
テンポの上げ方は人それぞれだと思いますが、オススメなのはイメージした時に曲のどの部分でも同じように安定した弾き方ができるテンポを少しずつ上げていくということです。
メトロノームを1ずつ上げるなどといったテンポの上げ方もあるにはありますが、途方もない時間がかかってしまいますし、そこまで細かく刻む必要がない場合が多いです。ある程度一気に自分が弾けそうなテンポまで上げてみましょう。
注意すべき点は、曲の”どの部分”でもスムーズに弾けるということです。簡単な部分のイメージだけでテンポを設定してしまうと、難しいフレーズが途端に弾けなくなってしまいます。難しい部分が滞りなく弾けるテンポ設定を心がけましょう。簡単なフレーズばかり速く弾いていても通して弾けるようにはなりません。
また、速いテンポで弾けたからといって、ずっとそのテンポで弾いていると自分の中での定着が曖昧になっていきます。ゆっくりのテンポでしっかり弾く練習も続けてこなしましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?譜読みが終わってからクオリティを上げる作業はかなり大変かと思いますが、楽しく演奏するためにもみなさまぜひチャレンジしてみてください。
今後も練習法や作品についてもお話しできればと思います。もし。ご質問等ありましたらお気軽にご連絡ください。
また、体験レッスン等も受け付けております。ご興味お持ちいただけましたら一度足を運んでいただけますと幸いです。
次の記事:各ピアノ教材の簡易的な特徴など
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