ピアノ名曲解説&練習方法『モーツァルト ピアノソナタ K.545 第一楽章 』

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みなさまこんにちは。最近所用のついでに訪れた実家の近くを散歩していると、自分が通っていた小学校や中学校などが卒業式を行なっていました。自分が小学校を卒業したのも十数年も前だと思うと、時間が経つのが早く感じます。
お子様がいらっしゃる方などから、子供の成長の早さには驚くという話をお聞きしますが、果たして自分にもそういった時が来るのだろうかと漠然とした想像をしています。
さて、今回は子供でも弾きやすくて、好きな方も多いモーツァルトの有名なピアノソナタを取り上げたいと思います。

モーツァルトについて

モーツァルトは古典派の作曲家で、「魔笛」などに代表されるオペラや交響曲をはじめ様々なジャンルにおいて多くの名作を残しています。モーツァルトの作品は軽快なフレーズとコンパクトで洗練された形式が特徴的ですが、個人的には合唱曲であるアヴェヴェルムコルプスのような叙情的な作品や楽章においてその洗練された手法がどこか神聖さを伴ったなんともいえない雰囲気を持っているのでおすすめです。

今回はモーツァルトのピアノ作品の中でも特に親しまれているピアノソナタK.545から第一楽章を紹介します。この作品は初心者用として書かれており、モーツァルトのピアノソナタの中でも比較的難易度も優しく、コンパクトに作られています。しかし、コンパクトながらもモーツァルトらしい軽やかで美しいフレーズが随所に散りばめられており、今日に至るまで多くのピアニストに親しまれている作品になります。

K.545の第一楽章を弾いてみよう!

概要を見ていきましょう。4分の4拍子で速度指示はAllegroとなっております。最終的にはあまり重くならず軽快なテンポで弾くように意識しましょう。分散和音を用いた古典派などで多用される伴奏系であるアルベルティバスと、非常にシンプルな右手のフレーズで始まります。楽章全体を通してですが、シンプルさを際立たせた方が良い雰囲気を出しやすいので、あまりペダルは多用しないほうがおすすめです。

この作品は提示部に出て来る音形が展開部や再現部でも応用して用いられていることが非常に多いです。提示部の細かいフレーズに関して弾きづらい部分をまとめておきますので、展開部や再現部でもぜひ参考にしてください。

5小節目からの右手のフレーズはとても転びやすく、この曲最初の難所ともいえるでしょう。指番号に関してはこの場面では人によって弾きやすさが変わるような部分は少ないかと思いますので、転ばないようにゆっくり練習してみましょう。

もう一つ注意すべきなのは脇の力が抜けているかということです。肩や脇に力が入っていると肘の関節しか動かせず、このフレーズのように上下に素早く動いていく際に負担がかかりやすくなります。肘から先だけでなく、脇を広げて柔軟に弾けるように意識して見ましょう。

13小節目からの左手も同じく転びやすい部分になります。この箇所では転ばないように気をつけるというよりは、4拍子の流れを意識するようにしましょう。そうすることによって無理な力がかからず、楽に弾けるようになります。

18小節目からのフレーズは先ほど説明した肩と脇の使い方がポイントです。無理に指だけで弾こうとすると柔軟に肩を回せるように脇の力を抜いて、回転するようなイメージで弾いてみましょう。

展開部は右手と左手の掛け合いが特徴的なセクションになります。長調から短調へと移るので、ハーモニーの変化を意識しつつ、16分音符のパッセージが転ばないように練習してみましょう。

提示部よりも掴みづらい和音が多くありますので、指番号をしっかりと決めて練習することが大切です。そして、フレーズごとに少しずつ変化していく和声の響きが綺麗に聴こえるようにレガートで弾く練習をしてみましょう。

再現部はハ長調の下属調であるへ長調にて始まります。基本的に気をつけるポイントは提示部と同じですが、ハ長調とへ長調の持つハーモニーの雰囲気の違いはしっかりと味わってみてください。

また、展開部と同じように、ハ長調の和音に比べて掴みづらい和音がいくつかありますので、こちらも指番号はある程度決めておいたほうが弾きやすいです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。モーツァルトのピアノソナタの中でもK.545は特に有名な作品となっており、取り組みやすい作品もあるので第一楽章はもちろん他の楽章もぜひ挑戦してみてください。

また、機会がありましたらモーツァルトの他の作品も取り上げたいと思いますので、ご興味ありましたらぜひお読みください。

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「こ……

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佐々木先生のレッスンは2022年秋頃まで、単発のみでご受講いただけます。

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